無料官能小説「新感覚をうたう4Dビデオはただのリアルダッチワイフだった」

その日も俺は童貞をこじらせていた。生まれてから二十数年、いちどもオマンコに挿入したことがない。街行く女どもには、しっぽりズコズコ収めることのできる器官がもれなく付いており、何百人・何千人とそこかしこに溢れているのに、俺のための穴ボコはどこにない存在しないというわけだ。

仕方なく独りで慰めることになる。行きつけのアダルトショップにしけこみ、振り込まれたばかりの給料で買い付ける新作を漁ることにした。

妙なビデオがあった。3DのAVが一時期流行ったものだが、そのパッケージには「新感覚!4次元エロビデオ」の文句が踊っている。なんだこいつは。少なくとも出演している女は俺好みだった。日々目にするオフィスレディの理想形がそこにあった。気高く美しく、自立する自分に誇りを持っている女。この女のオマンコに潜り込みたい。そうすればダメな俺も彼女の一部になれる。そう思わせるだけの神々しさが、女の面立ちに認められた。

「パソコンのUSBポートがないと使えないけど大丈夫っすか?」
「えっ、ああ、はい」

驚いたことに店員が話しかけてきた。会計では無言無音を貫くのが、アダルトショップのマナーではなかったか。しかしUSBポートか。ひと工夫あるAVなのだろう。俺の方もその気になったので会話を続けてみることにした。

「これ何なんですか。見たことないメーカーだけど」
「新商品っす。ホームページで感想を送ると、特典ももらえるらしいっすよ」

部屋にもどってパソコンを立ち上げさっそくディスクをセットする。問題は付属の装置だった。指にはめこみ、ケーブルの先端がUSBへの差込口になっている、おかしな機械があった。説明書によればビデオを再生する前に、この機械を使用者が装着しなければならないらしい。

《注意! 機械を正しく装着しないと、本作品の醍醐味である新感覚4次元体験を十分に味わうことができません。必ず図の通りにセッティングしてください》

「4次元体験か……感電とかしないだろうなこれ」

説明書の望む通り、万全に支度してビデオを観始める。パッケージに写っていた俺の理想の女が現れ、その顔が大映しになる。瞳の細孔や毛穴まで見えるほどに。

「近い近い。あと何かしゃべってくれ……」

理想の女は無言で俺の目をガン見してる。ヤバい。明らかに異常なAVだ。これ、呪いのビデオとか、そういうんじゃないのか。だが俺はもう目を離せなくなっていた。魅入られてしまったかのように、女の唇、女の鼻、まつげ、耳、全てが愛おしい。

「そっちに行くね」とささやき声が聞こえた。

機械を装着していた俺の手指に、女のたおやかな手が絡んでいた。理想の女は、リアルな実体となって俺の前に現出した。鼓動が高鳴る。非常にヤバい現象に立ち会っているとアタマでは理解できたが、はらわたでは欲望が煮えくりかえっていた。欲しい。街中で目にしながらついぞ手に入らなかった女体とその秘めた壺の濡れた味を確かめたい。

「ん……」

口づけを交わす。女の唇は冷たく心地よさがあった。さらに濡れたものが入ってきて、俺は声をもらす。舌。冷たく甘い舌が口腔に侵入してきた。俺の歯をなめるそれを、こちらもベロで迎え入れる。からみあい、ねぶりあったあと、やさしく糸を引いて、ピンクの器官は俺から離れた。

「見たいの……?」
「い、いいのか?」
「いいよ……きて……」

きっとオフィスでは支配的にふるまい、優秀な新人どもに毅然と指示を出しているであろう女が、第2ボタンまで外れたブラウスを差し出して、脱がせるようダメな俺に促している。白く張り詰めたブラウスのボタンを1つ1つ解いていく俺の指が震えた。

肩から袖をやさしく抜き取り、ブラジャーもホックから外して、真新しい女の丸みを帯びたハダカの上半身を鼻息のかかる距離から俺は眺めた。

なめたい。思う間もなく、俺は柔肌に口づける。

「あん……」

しっとりとした肌の質感を味わうことに俺は夢中になった。わき腹をなめ、背中をなめ、肩をなめた。そして盛り上がるものの前で居ずまいを正し、少しずつ、少しずつ口を近づける。

チュルッと突起は俺の唇に収まった。「ああ……っ」と女がため息をつく。本来であれば、じわじわと責めるべき器官をいきなり咥える贅沢に俺は酔った。

吸い、舌でねぶり、甘噛みして、俺は理想の女の乳首を試練にさらした。「ああふ……ああ……」感じている。まだ名乗りあってすらいない男にはだかの乳首をさらし、あまつさえ官能を楽しんでいる。

なんて女だ。にわかに俺はその淫らな態度をこらしめたい気分になり、女を抱く腕に力を加え、ゆっくり、しかし有無を言わせぬ態度で、女を押し倒した。

「はあ、はあ、……するの?」
「する」

ピッチリとした黒スカートをずり下ろし、紫のパンティを両手で引き下ろした。パンティはセンターが変色しており、脱がしたとき糸を引いた。

「びちょびちょじゃないか。イヤらしい女だな」
「そんなこと言わないで……」
「男の部屋に上がり込んだんだ。どうなるか覚悟できてるだろう」
「どうなるの……?」

俺は大きく堅くなったチンポをさらけだし、シャツも何も全部脱いで、女に覆いかぶさった。

「おまえの女の部分に、俺のちんちんを挿れる。いいな?」
「……うん。いいよ」

秘唇にチンポをあてがうと、そのまま腰をすべらせて押し込んだ。愛撫もナンもしちゃいなかったが、ぬっとりと女の中に俺は入っていく。

「はぁ、はぁぁぁぁぁっ」
「これ、なんだっ……やべえっ……」

初めて入る女の奥は想像をこえていた。熱くまとわりつき、求めるように内部がうごめいている。クッチュクッチュと少し動くだけでイヤらしい音を立てた。耳元で女がかすれた喘ぎを上げている。

「ど、どうだっ。俺のチンポは」
「はーっ、はーっ、い、イイです。すごくイイですぅ!」

女が乱れ始めた。俺は少しずつストロークを大きくし、次いで運動を激しくした。膣は俺を締め上げ、女は何かを涙声で懇願した。自らが昂ぶるのを感じる。

「な、なかに。なかに出すぞ……っ!」
「出して出して。お願いあなたをちょうだい……!」
「イク、イクイク、出るっ……!」
「ちょうだいちょうだいちょうだい、あああーっ!」

女のいちばん深いところへ押し込んだ瞬間、絶頂が始まった。激しく、前立腺をかきわけるように、精液はほとばしって、女のなかに弾ける。俺はぐりぐりと腰をおしつけ、ひたすらに、ただひたすらに射精する。「出る、出る」アホになって、射精する存在として俺は射精する。

精液が止まらない。脈動は七回、八回と続いた。「アッ、アッ、まだ出るッ……」女の中に大量の精液を吐き出し、ようやくスペルマは勢いを止めた。

女の胸がはげしく上下していた。俺も息が絶え絶えになっている。チンポはまだ女の膣に収まっていた。やがて女が顔を上げ、俺をあの瞳孔で見つめ、それから笑みを浮かべて、こういった。

「お買い上げありがとうございました」

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