官能エロ小説「のぼせるまでの短い間」


 互いに名前も知らぬ男女は、さびれた旅館の温泉内で出会い、恥じらいながらも体を重ねる事を望んだ。見目良かったというのもあるし、体つきへの一目ぼれとも言える。
 混浴の温泉に浸かりながら、二人はまず、ためらいがちに舌を合わせた。唇を重ねるだけのキスでは足りなかったし、歯列を舐め回すようなキスはすぐに出来ないと考えていた。思考の相性が良い事に二人は安心し、お互い体に手を回す。
 男は女の腰を、やや強引に引き寄せる。女は、しっとりと湿った腕を男の首に回す。
 女の期待に満ちた固い乳首を、男の指がこりこりとしごく。こぼれた甘い吐息は、男の舌の上で唾液と共に味わわれた。
 男の右手が、女の秘所を開く。湯の中なので湿った音はしなかったが、人差し指はすんなりと穴に収まった。水中であるにも関わらず、ぬるぬるとした感覚が男の指を包む。膣内を指が、ゆっくりと往復する。敏感なクリトリスを親指の付け根で刺激され、女は尻を浮かせ快感を訴えた。
 女の吐息が切なく、短くなる。ああ、イクと声をもらせば、男は指を止めた。
 たまらなくなり、女は男の固くなった部分に手を伸ばした。濡れた瞳で、声で懇願する。
 これがほしい。舐めれば挿れてくれる? と。
 すぐにでも挿れたくなったが、男は己の矜持と趣味嗜好から、岩に腰かけた。
 女の口内に、剛直がすっかり収まった。
 派手な音をたて、唇がカリを往復する。血管が浮かび上がった赤黒い柄を、愛おしそうに両手で包み先端を舐める。上手だ、と男は女の髪をかき上げて乱しながら言った。女のフェラチオによって唾液まみれになった先端部からは、精液混じりの先走り汁が漏れている。女は味わうように音をたてて汁を舐め、舌で尿道を優しくくすぐった。
 ここで出したくはない。と、男は女を強引に抱き上げた。
 のぼせるまでの短い間しか、温泉での行為は楽しめない。ならば、口内ではなく体内で出したいと男は考えた。抱き上げて女陰の具合を確かめ、さらに指を何度か往復させ、貫く。

 女は、コンドームが無いのに気づきながらも男の上に座る形で貫かれ、軽く跳ねた。快感が体内を駆け巡る。もっと快感を得たくて、女は己の乳首をいじった。
 男は開いている女の乳首を片手でいじり、もう片方の手でクリトリスを刺激した。女の声が高く上ずってゆく。
 結合部からは水音と共に、白く泡立った本気汁があふれている。その音に興奮し、女は声にならない嬌声を漏らした。女の体は激しい突き上げによって、乳房を大きく揺らして上下している。
 イク、イクと喘ぐのに合わせ、膣内が蹂躙される。男は膣内の感触に、溶けそうな快感を得ていた。もっと早く動かせば、すぐにでも達する。しかし、降りてきた子宮口を先端で刺激すると女は悲鳴にも似た嬌声を上げる。それが面白くて、先に達するのがためらわれた。
 中に出すの? という女のか細い声での疑問は、無視された。男にしてみれば、自分の腰の動きこそが答えだった。そして女の体も、声ほどは拒んでいないように男には思われた。
 女の目から、快感の涙がこぼれる。湿った結合部の音が、大量の愛液で淫靡な響きをなす。
 ぽっかりと膣内が膨らむのを感じ、男は腰を激しく動かした。
 イク。と、二人は同時に快感の極みを得た。
 女の膣内に、男の精が何度も放たれる。絞り出すように、女の体を離さず、すべて中に出した。
 中に出されて、女は、自分の性器からこぼれる精液をすくいあげた。
 自分が立てた小さな水音に興奮したのか、女は指を入れ、往復させる。
 もう一度? と、男は耳元で囁いた。もう一度やるにしても、この女性ならば欲望の限りを尽くしても拒むまいと感じ取っての一言だった。
 女は、無言で、あくまでも控えめにうなずいた。
 その後二人はのぼせるまでの間、どろどろに溶け合うように体を重ね続けた。 


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