「S嬢に拾われた一羽のウサギ」ソフトM男向け官能小説

テーブルに置いた携帯が一瞬震え、俺はどきりとした。画面を見るとそこには「新着メッセージ1件 真子様」と表示されていた。高鳴る気持ちを抑え今日はいつもより少し早いな、と思いつつ俺はジャケットの袖に手を通した。
俺とこの人の関係は、表向きには店員と客である。俺はバニーカフェの新米アルバイターだった。大学の学費を稼ぐために、夜はそこで働いている。バニーカフェと聞くと今流行りのウサギでも飼ってる喫茶店なのかと思うだろうが、それは違う。店員の男子がバニー服を着て客と歌ったり踊ったりする、更には場合によってはそれ以上のこともしてしまうような如何わしい店だ。
先程のメッセージの女性、真子様は俺の一番のお得意様だった。俺を一目見てからというもの、彼女はずっと俺を指名してくれた。指名料だって安いものじゃない。まだ20代前半にしか見えない真面目な人だと言うのに、あの店でどれだけお金を使ったのだろう。

真子様とは東京の某駅で待ち合わせして、いつものようにホテルに向かった。店の外で客と個人的に会うことは、基本的にはNGだった。だがこうしてボーイを何回も指名し続け一定額以上売上に貢献すると、VIP会員に昇格する。するとその指名した相手とは目立たないように会ってもいいことになっている。
「ずっと待ってたんです。今日は仕事休みだって言ってたから、真子様から連絡が来るの」
「あははっ。そこら辺にいる人にはわからないでしょうね。私と君がどういう関係かなんて」
意地悪そうに真子様が横目で見てくる。俺はこの、何か楽しそうに悪戯でも企んでいるような目が苦手だった。人の目があるというのに、先日の行為を思い出してズボンの中心が膨らむのがわかった。
ホテルに着いたら、俺は鞄から予備用の制服を取り出す。身体のラインがわかるキツめのレオタードに編みのパンスト、袖なしの燕尾服のような形をしたアウター、そして特徴的なウサ耳……これが店の制服だった。
俺が影で着替えをしている間、真子様は既に薄着になってソファで脚を組んでいた。剥き出しになったその白く柔らかい脚で、何度俺は優しく虐げられたことか。
「真子様、お待たせしました」
頭から足の爪先まで舐めるように凝視され、顔が火照るのを感じた。着慣れた制服だというのに店外のこの状況にはミスマッチで、それが余計羞恥心を掻き立てる。
「君にはやっぱりその服が似合ってるね。さっきの服……いつもああいうの着て大学行ってるの?」
「はい」
「へえ、どこにでもいそうな普通の男の子なのにね。それが二人きりだと、こんなにやらしくなっちゃうんだ」
真子様が少し背伸びをして、俺の頬を撫でてくる。Sっ気を感じさせる、微笑んでいるのにどこか冷たい目だった。
「ここ、もう膨らんでる。服の上からでも形が浮かび上がっちゃってるね」
愉快そうに笑うと、膨らみに指を沿わせてきた。薄いレオタードは指の刺激をほぼそのまま受け止め、俺は情けない声を漏らしてしまった。
「今何日目かな?」
「はい……一週間です」
「それまで一滴も出さなかったんだ。頑張ったね。じゃあ今日はご褒美をあげる」
言って、今度は尻を撫で回し始めた。レオタードに包まれた尻はアウターの切れ込みのおかげで、すぐに触れてしまう。双丘を撫でた後、指が割れ目に沿って前後した。敏感な部分を触られ、むずむずする感覚に襲われる。
「早速ジャケットを脱いでくれる? そしてここに仰向けになって」
真子様は珍しく、ベッドの自分の隣のスペースを示した。床に寝かされたことしかなかったので、この時は特にビックリした。
「いいんですか、真子様のお隣なんて」
「私の気分のいいうちに来た方がいいと思うけど?」
寝そべった身体の上に、彼女は馬乗りになった。ちらりと見えた下着に一瞬にして目を奪われ、股間は更に高ぶってしまった。
「そう言えば君、女の子と何の経験もないんだっけ」
俺は頷いた。かっこいいと言われたことはあってもインドア派で奥手なのが災いして、異性経験どころか彼女と言える人さえまともにできたことがなかった。
「顔は悪くないのにね。じゃあこの身体は、こういうことも知らないんだ」
言って身体の位置を下の方にずらすと、腰を押し付けるように前後に揺らす。その割れ目の下には、怒張しきった俺の性器があった。柔らかく温かいものに間接的にではあるが包まれ、鈍い刺激に襲われた。
「だめっ、だめです、真子様っ……! そこ、そんなにしたら」
「へえ、これだけでも感じるの」
「あ……あ、真子様のあそこ……気持ちいい」
「足とどっちがいい? ほら」
爪先で袋を撫でられた後、堅い所を足の裏でしごく。向い合う形でしたものだから、短いスカートの中も丸見えだった。レース付きの白い下着が目に眩しかった。
「足もっ……いいです!」
「どちらか選ばないとだめ。選んだ方で絞り取ってあげるから」
「そんなっ、じゃあ……是非おまんこで……お願いします」
「素直なのは好き。せっかくだから下着脱いじゃおうかな」
真子様はスルッと下着を下ろすと、最初に俺の顔に跨ってきた。無毛でまだ小さい陰唇のそこは、見かけによらず女の匂いを漂わせていた。
その匂いを嗅いだだけで、俺は早くも射精しそうになっていた。ゆっくりと腰を前後に動かす度に、くちゅ、くちゅと粘性の水音が発生した。
「次はこっちだね。遠慮しないで出していいよ」
再度俺のものの上に跨ると、また腰を揺らす。レオタード越しでは女性の感触は不完全で、この時ばかりは薄布を呪わざるを得なかった。
それでも俺は最高に高ぶっていた。先程顔に擦り付けられた淫水の匂いが残っていたし、彼女は俺に見えるようにわざとスカートをたくし上げていた。
最高に上り詰めた俺は、大切な真子様でさえもがむしゃらに犯したい気持ちになっていた。それと同時に、一方的にこうして責められる快感も何物にも替え難かった。
俺の妄想は、そうしたサディズムとマゾヒズムの両方を行ったり来たりしていた。
その時、股間に今までよりも強い体重がかけられた。更にはっきりと、彼女の性器の感覚を意識できる。目を瞑り前後の摩擦の快感に身を委ねた所で、俺は溜まりに溜まった精液を吐き出した。濃縮された精液は股間をぐしょぐしょに濡らし、レオタードの表面にも白い大きな染みを作っていた。
「わあ、凄い匂いと量。服からも染み出して私のここも汚れちゃったね」
意地悪に言うと、彼女はあそこを指で広げて見せつけてきた。そこはもう濡れそぼっていて、その液体は愛液なのか精液なのかもわからない。そして真っ先に目についた、赤くぷっくりと勃起したクリトリスが印象的だった。
「あ……ごめんなさい真子様……。凄く気持ち良くてつい」
「隅々まで舐めて掃除してくれる? こんなんじゃとても帰れない」
俺は言われるがままに、自分が汚してしまった性器に口を付けた。達したばかりとは言え、間近で見る女性器に興奮しないわけがなかった。クンニをしている間にまた俺のものは赤く膨れ上がっていた。
「相変わらず変態なんだね。可愛がる甲斐があるよ」
そう言って見下ろす彼女の眼差しは妖艶で、俺の心を射抜くには十分過ぎる鋭さがあった。