無料アダルト小説「夏の雨」(女性向け官能小説)

大学の門を出た途端、突然どしゃ降りの雨が降ってきた。さっきまでの穏やかな夏空は跡形もない。
「とりあえず、うちで雨宿りしよう」
悠希が私の手を取り、早足になった。私は彼の手の熱っぽさにどきりとする。
スコールに打たれながら、私たちは大学そばの悠希のアパートまで走った。いつの間にか悠希の手は振りほどかれていた。
8月下旬になってようやく終わった、夏休みの課題。当初は四人グループだったけれど、色々あって結局私と悠希ふたりきりになってしまった。課題のためにここ一ヶ月毎日一緒にいたせいか、私たちは段々打ち解けて良い友だちになっていた。

さっきまで図書館でずっと向い合っていたのに、今更悠希とふたりきりなのが面映ゆい。
悠希の部屋は、男子のそれにしては綺麗でこざっぱりしていた。
「拭きなよ」
アパートに着くと、悠希は私の方を見ずにタオルを差し出した。服が透けて下着が見えていたのかもしれない。私は恥ずかしくなってタオルで胸元を隠した。
「ありがとう。あーあ、服までびしょびしょだ」
私は照れ隠しにわざと無邪気に言ってみる。
「じゃあ、服貸そうか。まずはシャワー浴びてきたら」
「えっ…うん…ありがとう」
私は一瞬言葉に詰まったけれど、躊躇していられないくらい濡れていたので、悠希の言葉に甘えることにした。

「男の子の部屋でシャワーを浴びている」ということに、私はとてもドキドキしていた。そして、不埒なことを考える自分のいやらしさに赤くなった。私は自分の体を高価な果物を扱うように、大切に洗った。悠希が私の肌に触れるかもしれない、そんなセクシーな夢想が頭から離れない。

夢から覚めたその瞬間、私の心臓は止まりそうになった。
そこに悠希が立っていたのだ!
「おれも一緒に浴びていいかな」
「えっ…」
私はあまりのことに言葉を失う。夢見ていたことが現実に起こりそうなのに、なぜか怖くなってしまった。体を隠すことも忘れ、呆然としていた。
「…好きなんだ、鈴木」
悠希は私の唇を奪った。初めてのキスに私はとろけてしまいそうになる。
「すごくきれいだ」
悠希は私の肩を抱き寄せ、ぎゅっと抱きしめた。あまりの幸福に目眩がした。好きな人に抱きしめられると、こんなにも幸せになれるんだ…私は真っ白になっていく頭の片隅でそう考えた。

悠希は私をお姫様抱っこして、ベッドまで運んだ。悠希は濡れた服を脱ぎ、私と同じ生まれたままの姿になった。
悠希の下半身にぶら下がった膨らんだものに、つい手を伸ばしてしまう。
「すごい。大きい」
悠希は恥ずかしそうに微笑んだ。
「鈴木も…意外と胸大きいな」
悠希はそう言って私の乳房に触れた。
「いやだ、やめて」
私は甘い吐息を吐きながら身悶えした。今まで自分の胸が嫌いだったのに、悠希に触れられるとなんだか愛おしいものに思えてきた。
悠希は私の乳房を手で弄び、それから尖った乳首を吸った。乳房を吸う悠希がなんだか私の赤ちゃんのように可愛く思えた。
悠希の口は乳房からお腹へ、おへそへと下がっていく。私はまさかと思ってドキッとした。悠希はとうとう私の敏感な部分を探り当てた。悠希の唇と舌の柔らかな感触がはっきり伝わる。
「だめ…そんなところ…」
私は悠希の顔を軽く押しやったけれど、びくともしなかった。恥ずかしくて死にそうだった。
悠希は私のあそこから顔を上げると、今度はその部分にゆっくり指を入れてきた。すらっときれいな悠希の指が、私の中に…。
私の無垢なそこは、悠希の一本の指でもきつかったようだった。
「初めてなの…?」
私はうなずいた。
「怖い?」
「うん、少し。でも悠希なら大丈夫」
私がそう言うと悠希は私をぎゅっと抱きしめた。確かに怖かったけれど、不思議にとても暖かい気持ちだった。
「俺が本当に鈴木の初めて、もらっていいの?」
悠希の顔がすぐ目の前にあった。物憂げな目と整った唇が、私をゾクゾクさせる。
「いいの。…しよう」
私は悠希の腕をぐっと掴んでそう言った。悠希はもう何も言わなかった。
悠希は私の中にゆっくりゆっくり時間をかけて入っていった。痛みばかりで快感は感じなかった。それでも私は悠希と一つになれる喜びを強く抱いていた。
ようやく、すっぽり悠希のものが私の中に入った。悠希は緩やかに腰を動かしている。そのセクシーな動きや息遣いに、私は頬が赤くなってしまう。理性的で穏やかないつもの悠希からは想像できないような、野生じみた表情にたまらなくなる。
やがて、淡い快感がやってきた。でも、悠希はそこで果ててしまった。
「大丈夫?」
悠希が私の頭を撫でながら言う。
「うん。ありがとう」
「初めては、あんまり気持ちよくないかもしれない。セックスはお酒と一緒で、飲めば飲むほどおいしくなるんだってさ。だからさ、もっともっといっぱいしような」
悠希は照れながらそんなことを口にした。
「なにそれ。悠希って意外とエッチなんだね」
私はわざとからかってみる。
「嫌なのか…もうおれとするのは」
悠希は不安そうな表情を浮かべる。
「嫌じゃないよ。私も悠希が好き」
「なんだよ」
悠希のはにかんだ笑顔が眩しい。

いつの間にか雨は上がっていた。目がくらむような夏の午後の日差しが、私たちの元に降り注いでいた。