無料の官能小説「とある部屋での体験談」

その日、ラブホテルに入るのは、実は初めてのことだった。

入るなり独特の内装に当初は目を丸くしたのだが、部屋に入ると少し落ち着こうとソファーに腰を落とした。
一緒について来た千尋も、自分の横に恐る恐る腰掛けると、少しの時間たげ沈黙が流れた。
その状態に耐えられず自分から、『へえ~、こんな風になってたのか。』
「……」いつも人懐っこく接してくる千尋なのに、部屋に入ってからは未だ黙ったままだ。

ひとつ質問を投げかけてみた。
『なんでここに来ること拒まんかった?』
「……」
少しだけ間をあけた後、
「カズ君が入りたいって言ったからじゃない。」と千尋。
『本当はここがどんな所か分かってたんだろ?』
千尋は小さく頷いた。

すると千尋は唐突に
「あのね、いつも私のいきなりの我が儘とかに、カズ君がいろいろ真剣に付き合ってくれて考えてくれたのが嬉しかったし…」
そう言ってからまた少し間をあけてから
「それにカズ君のこと、ずっと前からかっこいいな…って思ってたんだよ。だから…」
自分のことをそんな風に見ていたなんて、なんだか少し照れ臭くもなったが、そんな千尋の言葉を聞いて、
『じゃあ、いいよな?』と聞くと、意を決したらしく千尋は深く頷いた。

千尋の体を引き寄せて、そっと唇を重ねた。
何度か重ねていくうちに、徐々に舌を彼女の口に差し込んだ。
千尋もそれを受け応えてくれ、舌を絡めてくれた。

一旦唇を離し、
『ひょっとして初めてか?』と一応聞くと、
「…ごめん、実は前に彼氏がいたことあったから、そうじゃないよ。」
そう答えたので『謝んなって。一応聞いただけだし、気にしてないって。』と返した。

『それなら存分にさせてもらうぞっ!』と、千尋の体全体をくすぐるように触りまくった。
「あっ、くっ、カズ君、くすぐったいって!」
千尋は悲鳴を軽くあげ身をよじりながらも、その顔は笑顔で緩んでいた。
くすぐり終えて千尋の息が整うのを待ってから
『ベッド、行こっ。』と彼女の手を引き、お互いがベッドに腰掛けてから、あらためて唇を重ね舌を強く絡めた。

耳や首筋にキスをしながら、千尋の服を脱がそうとしたら、
「待って!」と言われてその動きを止めた。
「ちょっとだけ後ろを向いてて。」
言われるがままに千尋に背中を向けると、どうやら彼女は自ら服を脱ぎだして、そのまま布団の中に包まったようだ。
「もういいよ。」と千尋が声掛けてきたので、自分も全裸になってから布団の中に入った。

布団の中であらためてキスをし、舌を深く絡め、大体Cカップくらいのふくよかな彼女の胸に手を当てた。
指先を動かしながら、乳首を軽くなぞったり弾いたりすると、
「あっ…」
千尋の口からエッチな声が軽く漏れ始めた。

やがてその口を胸に移し、舌で乳首を軽く転がしてみた。
「やっ、はっ、うっ、はん。」
段々と彼女の声も我慢が出来なくなったようで、途切れることなく出るようになった。
そして自分の口を徐々に千尋の下半身に移した。

へそから腰のくびれ、そして太ももから彼女の大事な所を舌で愛撫しようとしたその時、
「待って!」との声とともに千尋は脚を閉じた。

「そこ汚いからダメだって!」
『大丈夫だよ。俺は気にならないよ。』
「でも…恥ずかしいし…」
『舐められたことないの?』
「…いつも断ってたから。」
聞くとどうやら、いわゆる排泄行為をするところを舐めるなんて、とても考えられないらしい。

『俺は全然汚いなんて思わないし、それにこれで千尋がもっと気持ちよくなれると思うから、俺はしてみたいんだ。』と優しく説得。
すると千尋は少し考えた末に、頷きながら脚の力を緩めた。

千尋の右手を自分の左手で握りしめながら、彼女のクリトリスを舌で舐めると、
「ひゃん!あっ、ああっ!はああっ!」と、今までになく大きな声であえいだ。
それに気を良くした自分は、クリトリスを中心に愛撫を続けた。
「あっ!ああっ!あ…やん!はんっ!」
彼女の息も声で絶え絶えになり、秘部もすっかり濡れそぼっていた。

続けていくうちに
「待って…待ってぇ。おかしくなっちゃう。」と彼女の体が徐々に震え始めた。
ひょっとしたら…と感じて、止めてほしいと願う彼女の言葉を無視して、段々愛撫を強くしてみたら、
「あっ!あっ!なんか…おかしくなるっ!あっ!だめっ!やめて!あっ!あああっ!」と声と息が荒くなり、
やがて
「ああああっ…んくっ!」と声を上げながら、体をビクビクと震わせた。

さすがに自分も動きを止めて、千尋の息が整うのを待ってみた。
「…なに、これぇ…」
どうやら千尋は初めてイクことを体感したようだ。

そんな千尋のいやらしい姿を見て、もう理性をコントロールできる余裕がなくなり、枕元にあったゴムをいきり立ったモノに急いで着け、彼女の中に半ば無理やり押し込もうとした。
「ああっ、カズ君!」
だが、早く入れようと焦って、なかなか適切な行動が取れなかったせいか、自分のモノがついに暴発してしまい、大量の精液をゴムの中に放出してしまった。
あっという間のことだった…

ホテルを出てから
『あ~あ、最後まで出来なかったよな…千尋、悪い。』
二人ともなんだかぎこちない空気に包まれていた。

自分から思い切って
『このリベンジ、今度果たさせてよ。』
日本語としてかなりおかしな言葉だったが、彼女は少し考えてから、
「…リベンジマッチは1回だけですよ。」
千尋は悪戯っぽい表情をこちらに向けて、小走りに歩いて行った。

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