官能小説「兄妹ごっこ」

「兄妹ごっこ」

「勉強教えてくれたっていいじゃん!」
受話器に向かって声を荒げる弥生。今度こそはと本気だった。本気で電話の向こうの彼に想いを伝えたかった。
「いーけどさ…めんど」
「めんどいとか言わない!傷心の妹の手伝いとかしてくれない訳?」
溜息をつく彼、敬の言葉を遮ったが、弥生は敬の実妹ではない。所謂、妹分というヤツである。弥生の元カレは敬のネット友達であり、同じチャットで話をしていた弥生は元カレとも敬とも仲良くなったわけだったのだが、元カレは「タバコ吸ってんの学校にバレて停学くらった」とかで音信不通。敬も連絡が付かず、ネット仲間たちが下した判断は「ヤリ捨て」。弥生にとって初カレだった故に傷心は事実であり、敬も少なからず責任を感じていた。弥生にその男を勧めてしまったという点において…。
「…わかった。いいよ。」
観念したように敬が言ったのを聞き届けると、嬉しそうに礼を言って弥生は電話を切った。弥生が敬に惹かれたのは、失恋した時に誰よりも親身になってくれたからだ。実兄がいない弥生にとって敬は本当のお兄ちゃんのようにも感じられた。それ以上に好きという気持ちが大きくなっていたのだった。今度こそ告白…いや、もっと大胆に…。決意を込めてその日を指折り待った。
日曜日、電車を乗り継いで敬に会いに行く弥生。駅に降り立ち敬に電話をすれば目の前に現れる。一定の距離を置いてついていき、たどり着いた先は大きなマンション。敬に言われるがままに部屋に上がり、鞄の中から大嫌いな数学を取り出して机に乗せた所で
「お願いします。」
弥生は敬に深々と頭を下げた。「おお…。」と、ヤル気の感じられない声が返ってきたが弥生は気にしなかった。あくまでも目的は告白なのだ。シャーペンを握ると黙々と問題を片付けていく。
それからどのくらい経っただろうか。1時間は余裕で越えているだろう。なんせ、弥生は問題の前で唸り声を上げたまま固まっているし、教える方の敬は眠そうにあくびをしているのだから…。
「弥生ちゃん、どこわかんねーの?」
「黙ってて。もうちょっとなんだから…。」
「俺、いる意味なくね?」
「んなことないよ。答え合わせに敬ちゃん必要なんだもん。」
弥生も敬もムスッとした顔で弥生は参考書、敬は弥生を見つめた。しばしの沈黙。
「休憩にしなよ。」
敬が弥生の頭を撫でた。撫でられた弥生は驚いた顔で一瞬敬と目を合わせるも、恥ずかしかったのかすぐに目を伏せた。それでも言われるままにシャーペンを机の上に転がすと、隣に座っていた敬に身体を寄せ始める弥生。
「どした?甘えたいとかそんなんか?受け付けてねぇ。」
「うっさい。休憩だもん。」
けらけらからかう敬だったが弥生を突き放したりはしなかった。そっと抱きしめまた髪を梳く。敬にしがみついた弥生が顔を上げ敬の唇を奪った。遠慮がちに舌を絡めれば敬も応戦してくる。
「好き?ちゅー…。」
「…好き。」
「あそ。」
にやりと笑った敬が舌先を甘噛みしながら、弥生の歯列をゆっくりと舌先でなぞってくる。服の上から胸の膨らみを揉まれ、吐息が漏れた。
「これ以上はヤバそうなんですけど…。」
引こうとする敬を逃がすまいと弥生は敬のパンツの上から敬自身を触った。すでに隆起しているそれを丁寧に撫で上げる。弥生の胸を弄っていた敬の手が頂を転がしはじめるも、その手が離れた。口ではやめろと言っていた敬も最早何も言わずに感じ入っているようだった。敬がベルトを外して、肉棒を露にする。
「弥生ちゃん、舐めて。」
掠れる声に欲情する弥生。小さな口を精一杯開けて肉棒を含む。喉の奥までいっぱいに咥えこみながら、どうにか上下運動を繰り返す。水音が響く中、敬が弥生の下着の上から割れ目を探る。下着の上からでもわかる濡れた感触に
「ヤラシイ。」
敬がからかいの声を上げるが、弥生を煽ってさらに蜜が溢れるのを手助けしただけだった。弥生の下着が意味をなさなくなってから、敬がクロッチ部分をずらして蜜口に指を突き立てた。くぐもった声を上げる弥生にお構いなく、ゆるゆると入り口を刺激する。ゆっくりと蜜壺に中指を沈ませれば、圧迫感に驚いた。
(まさか…)

敬は肉壁の吸い付きを確かめるようにゆっくりと出し入れを始める。弥生は耐えるようにくぐもった声を上げながら、健気に舌先で肉棒を舐め続けている。

肉芽を親指で潰してやれば、小さな悲鳴を上げた弥生は口から肉棒を離してしまい、手でしっかりとそれを握り上下に擦っている。
「お前処女とかじゃないだろうな?」
責めるでもなく、やんわりと声を掛ける敬。弥生はぶんぶんと頭を振り「もう元カレとシてるもん」と答える。じゃあ、こういう関係もアリか。敬は思った。瞬間指先をGスポットに宛がい震わせる。特に弥生がよさそうにしていた入り口側のソコを弄ってやると嬌声が上がった。
「ココ?」
「ダメ…敬ちゃ…」
蜜壺が収縮してきたなと感じた次の瞬間、弥生は絶頂に達した。息を荒げ、頬を真っ赤に染めるその顔を見ていたら、敬も弥生が欲しくなった。
「可愛い。おいで。」
ゆっくりと弥生を起き上がらせると自分の足を跨がせる。見つめ合う様に抱き合う形に誘導し、肉棒を支えそこに弥生を下ろさせようとした。熱に浮かされた弥生が蜜口に敬の肉棒を宛がいゆっくりと飲み込んでいく。「ゆっくりな」そう言われたのに肉棒の質量に驚いて体重をかけて一気に飲み込んだ弥生。次の瞬間、敬の膝の上で動けなくなった。
「何?」
「何でもない。」
「んなわけないじゃん。そんな泣いて…。」
弥生の頬の上をぼろぼろと涙がこぼれていく。敬が弥生の頭を撫で、涙を指先で拭ってやる。弥生は何故か痛い下腹部を気にしないように「シて」と、敬に強請り続けた。敬もおかしいとは思いながらもそのまま続けることにした。敬の肉棒が弥生の子宮口まで犯す。最奥を叩かれ何度も悦びの声を上げた。敬の形を覚えるように何度も収縮する蜜壺がその締め付けを強くする。
「敬ちゃんイっちゃう」
切羽詰まった弥生の声に応える代わりに敬が弥生の唇を奪う。酸素すらなくなりそうな、濃厚な口づけの中で弥生は絶頂に達し、その締め付けで敬は素早く肉棒を引き抜き弥生の腹の上に白濁をぶちまけた。あまりにも深く達したのか弥生は朦朧としていた。白濁を吐き出し終え、ふと自らの肉棒を見た敬は驚いた。
「マジかよ。」
あまりのショックに冷汗が吹き出す。あんなに処女じゃないと言っていた弥生の蜜口からは明らかに純潔の証が流れ出ており、敬の肉棒にもその証が付いていた。当の弥生はくたっとしていて起きそうもない。とにかく敬は衣服の乱れを直し始めた。
「計算ずくかよ、くそっ。」
このあとふたりが付き合ったかどうかはまたべつのお話…。

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