官能小説「資料室のダンボールと一緒に」

金曜日の深夜。一人で残業をこなしていた俺は、スマホのタイマーで気がついた。あと少しで終電だ。慌てて帰り支度をする。
終電を逃すとタクシーで帰宅する事になるが、会社は絶対にタクシー代は認めない。そもそも残業を認めていないし、それどころか残業をしようものなら怒鳴られるくらいだ。今夜のこの残業だってサービス残業だった。それでタクシー代自腹なんて冗談じゃない。
カバンと上着を掴んでエレベーターへと突っ走る。表示では籠は三階上で止まっている。もう誰もない社内、ボタンを押せばすぐに籠は降りてくる……はずだった。下ボタンを何度も連打するが全く動かない。誰か止めているのか? やたら長く感じた五分間、やっと降りてきた籠の中には、ダンボールの山と一緒に女性社員――同期の大和美紗が乗っていた。俺は驚いたが、向こうも驚いたようだった。美紗の疲れた顔とやや乱れた長い髪が硬直していた。ダンボール箱にもたれかかった姿勢から、豊かなバストが盛り上がるようにして、ブラウスの胸元からぐいっと谷間が見えた。
「ちょっとぉ、こんな時間になにしてんのよ?」
 美紗が姿勢を正して訊いてくる。俺は「こっちのセリフだよ」と言い返しながらエレベーターに乗った。籠内の操作パネルは資料室のあるフロアが点灯していた。
「これ一人で全部資料室に運ぶの?」
「そうよ」
「部署の誰かと一緒にやればいいのに」
「だってみんなさっさと帰っちゃうんだもん」
「そりゃこんな時間までかかるんじゃなぁ」
「そっちこそ、こんな時間まで残業でしょ。人のこと言えないじゃん」
エレベーターが資料室のフロアに着いた。美紗が開放ボタンを押して、ダンボール箱を降ろし始める。俺は時計を見た。降ろし終わるのを待っていたら確実に終電には間に合わない。……仕方ない。
「ちょっとぉ。何やってんの?」
 美紗は、ダンボールを降ろし始めた俺を見て目を丸くしている。
「はやくしろよ。どんどん遅くなるぞ」
「う、うん……」
 二人がかりでダンボールを降ろし、どんどん資料室へ運び込む。中身はぎっしり詰まった書類だろうか。結構重い。全て運び込んだ時には、俺は軽く汗をかいていた。ネクタイを緩めると、シャツの中に涼しい風が入って気持ちが良かった。美紗も汗をかいていて、肌がブラウスから透けて見える。
「ありがとう」
 美紗が言った。
「いいさ。どうせ終電に間に合うかどうかわかんなかったし」
「え? もしかして、あたしのせい……?」
「いや、別にまあ……」
「……ごめんね」 
 美紗が上目遣いで俺を見る。乱れ髪。第二ボタンまで開いたブラウスからは汗ばんだ胸の谷間が光っている。深夜の会社に二人きり。特殊なシチュエーション。俺は美紗へ手を伸ばした。
 肘に触る。美紗の身体がわずかに固くしたのが分かった。でも逃げなかった。腰に手を回す。美紗の唇がわずかに開いて白い歯が見えた。抱き寄せる。キスをする。
「ン……ンン」
唇の隙間から美紗のくぐもった声がした。でも拒絶も抵抗もない。
黒いタイトスカートに包まれたヒップに手を這わせる。美紗が身をよじらせた。肉感のあるヒップが魅惑的に動いた。手をスカートの裾から中へ侵入させる。
「あ……ダメ……」
 ストッキングに包まれた汗ばんだ太股の感触、なぞるように少しずつ手を上へ差し込む。両脚の付け根、アソコはストッキングごしにもはっきりと分かるほどに一段と潤んでいた。
「……ここ、すごいよ?」
「そ、そんなことない、よ……」
「じゃあこれは?」
「ああ……!」
中指の腹で美紗のアソコを下から上へなぞった。湿ったストッキングのぬるりとした感触がした。美紗の細い肢が俺の手を挟みこんで更に圧迫した。
「ダメ……ダメ…… 」
 美紗はイヤイヤをした。頭の動きに合わせて流れる黒髪の合間から見える耳たぶは紅潮していた。かわいかった。
 俺は美紗の身体を掴んでぐるりと後ろを向かせた。
「ああん!」
 美紗は喘ぎながら目の前に積まれたダンボールの山にに手を突いた。俺は後ろからスカートをまくり上げると、ストッキングと下着をまとめて膝のあたりまで一気に降ろした。きれいなヒップが丸見えになった。ズボンのファスナーを開けていきり勃ったペニスを素早く引っ張り出す。
「ちょっ、待っ……」
 美紗は器用にも後ろ手で俺の身体を押し返そうとした。しかし俺は両手で美紗の腰をがっしりと掴んでいる。美紗のか細い抵抗を押し切ってペニスをずぶずぶと挿入する。
「ああっ!!!! こ、こんな……資料室でこんな……あああああっ!!!」
 美紗のアソコは何の抵抗もなくペニスを根元まで咥え込んだ。
「ああっ……ああっ……!」
 俺の動きに合わせて美紗の喘ぎと、声の合間からはグチュグチュとペニスが蜜壺を出たり入ったりする音が聞こえた。美紗の喘ぎ声は普段のトーンとは全く違い、かなりエロかった。愛液の量もかなり出ている。アソコの具合もかなり――イイ! もう……俺がもたない。
「もうイクよ」
「ダメェ、もっと……もっと……」
「ご、めん……もう……イ、イクッ!!!」
「あっ、ああああああああああ!!!」
 美紗の中へ大量にぶちまけた。ペニスをずるりと引き抜くと、美紗が崩れ落ちる様に床へ座りこんだ。そのまま身体を上下して呼吸をしていると、美紗の身体の下から床へ白い液体が流れ出してきた。俺が見下ろしていると、美紗がくるりと振り返って、下から見上げてきた。両眼が妖しく潤んでいる。白い手が伸びて、俺のイッたばかりでまだ堅いペニスを優しく握った。
「……ねえ、もう終電ないんでしょ? だったらホテルで続きしようよ」
「え? だって……」
「自分だけイって終わりなんてズルいよ。ちゃんとあたしもイカせて。ね?」
そして長い舌を細くとがらせて、ペニスの先をゆっくりと舐めた。絶妙の感触でぞくりとした。

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