官能小説「新聞少女」

毎朝オレは、5時半になるとアパートの二階の窓から、下の歩道を眺めるのが日課になっていた。
 新聞配達の少女を見るためだ。
 その少女はいつも白のTシャツ、エンジ色のジャージのズボンをはいて重い新聞配達用の自転車に跨っていた。
 黒髪のショートカットで瞳は大きく、色白な彼女。18歳くらいだろうか、まだ大人の女に成長する以前の、かといって少女と呼ぶにはためらわれる程の柔らかなラインで身体全体が形成されている。決して派手な美人ではないが、控えめな感じで男好きのするタイプ。
 家のアパートの前の道はなだらかな坂になっており、重い自転車を立ち漕ぎしながら少女は登ってくる。エンジ色のジャージがぴったりとそのふくよかな尻に張り付き、下着のラインがくっきりと形を見せる。
 いい尻をしていた。
 あの尻にブチ込んだら、どんなに気持ちがいいだろうか……、朝からそんなことを思いながら、俺は窓からのいつもの光景を楽しんでいた。

 昨夜、悪友と久しぶりに居酒屋で酒を飲んだ。
 近所に住むその男は、酔うといつも自分が今抱えているセフレ自慢が始まる。
 こないだもナンパしたギャルを食ったとか、出会い系で知り合った人妻とヤりまくり、生理が来ないと告げられて参ったとか、合コンで知り合ったブスだけどナイスバディで床上手な女との一夜だとか、おおよそオレとは無縁の話ばかりをするのだった。
「オマエばっかりいい目に遭ってるな」
 ついそんなヒガミっぽいことを口にした。
 すると、悪友がとんでもないことを言い出した。
「いま調教してるいい子がいるから、その子を紹介してやるよ」
 ノドから手が出る程ありがたい提案だった。だが、そこはガマンして、
「オマエのお古かよぉ」と一度は拒んでみせた。
「いい女だぜ。専門学校に通ってるコでな、大人しいけど、ド淫乱。しかもドMで、縛られるのが大好き。ちょっと強引に責めてやると、これがまたいい声出してヨガるんだ。オマエ知ってるかな? ここらへん朝新聞配達してるコなんだけど、名前はあゆみって言うんだ」

 まさかオレがずっと毎朝眺めていたあのコが、悪友のセフレだったとは。しかもそのコを紹介してくれるなんて、オレは天にものぼる気持ちになった。彼女はレイプもどきの過激プレイが好きなんだと悪友は言った。
「話付けといてやるから、オマエもやってみな」。

 オレのアパートの三軒隣りに、縦に細長いワンルームマンションがあった。数年前に建てられたのだが、駅から徒歩17分の立地と、この不景気もあってか、未だに1部屋2部屋の入居者しかいないようだ。管理人もいなければ、オートロックのシステムもない。
 その数少ない住人も新聞を取っていて、あゆみが毎朝そのマンションにも配っている。
 翌日の日曜日、オレはあゆみが新聞を届けに来る5時半より前に、そのマンションで新聞を取っている中年男が住む、7階の部屋の横にある階段の陰に潜んでいた。
 
 チン、と小さな音をたてて、エレベーターが7階に到着した。あゆみはいつものように、新聞を玄関ポストに深く差し込んだ。踵を返してエレベーターの方に向いた瞬間、階段の陰からオレは飛び出して、彼女のエンジ色のジャージのズボンと薄いピンクのパンティを一気にズリ下ろした。ねじれたままくるぶしまで下げられたパンティとジャージ。あまりにも一瞬のことであゆみには何が起きたかわからなくて、口元に笑みすら浮かんでしまっていたことを、オレは見逃さなかった。
 ぷりん、と音を立てて揺れるその二つに割れた尻のほっぺたにはニキビひとつなく、ただただ脂肪の塊のはずの女性的な丸いラインが、これでもかとばかりに主張していた。ぷりりん。
 階段踊り場の窓からはまだ陽光はわずかにしか届いていないのに、あゆみの尻は白くハレーションしていた。息をのむほどの美しさとは、このことだ……。

「おとなしくしろ」
 と耳元で囁かれたと同時に猿ぐつわをかませられ、あゆみはようやく自分の身に何が起こっているのか理解できた。
「うぐぐっ……」
 声にならない声をあげた。
 ドアに顔を押し付けられ、半分屈んだまま、露になった尻を突き出すという恥ずかしい姿勢。ジャージとパンティが両脚に絡んで身動きが取れない。オレはあゆみの両手首を背中で持ち、アマゾンで買ったSMグッズの手錠をはめた。あゆみはさらに激しく身体を揺すり抵抗しようとしたが、
「殺すぞ」
と、ひと言囁いたらそれ以上は抵抗しなかった。シナリオ通りだ。
「そう、おとなしくしてれば、傷つけたりしない。目的はひとつだからな」
 あゆみの股間をまさぐる。悪友から話を持ちかけれた彼女は、この日のため準備してきたのであろう、陰部のムダ毛はきれいに処理されていた。中指と人差し指で秘部に触れると、やはり濡れていた。
 あゆみはカラダでは一切抵抗しなかったが、言葉ではイヤイヤを繰り返した。
「静かにしろ」
と凄んで、オレは二本の指を湿ったワレメにゆっくりと沈めていった。
「ひいぃ」
 と短く声を上げ、再び、「いやいやいや」と繰り返した。
 悪友が言った通りだった。あゆみは真性のマゾらしい。演技とは思えないほど迫真の表情をする。指は第二関節まで挿れたところで、ヘソ側に指を折り曲げ、下腹の裏の壁を刺激した。
 静かな階段の踊り場に、ピチャピチャと卑猥な音がこだました。
「あひひひひっ!」
 あゆみは尻を突き出し、立ったままの姿勢でヨガった。
 指を使ってもっといじめてみたかったが、オレの下半身はすでに怒張しており、早くペニスをこの柔らかい肉穴に挿し入れたい欲望にかられた。
 左手だけでズボンを降ろすと、トランクスに第一ちんぽ汁でシミが出来ていた。
「見ろ」と、あゆみの頭をこちら側に向けさせ、いまにも噴出しそうなギンギンになったペニスを見せびらかした。
 あゆみはまるで刃物でも突きつけられたかのような恐怖の目をして「はうぅ……」と怯えた。オレはもうガマンできなくなって、そのまま立ちバックの姿勢で、ぷっくりとした二枚の貝を人差し指と中指でV字を作って割り開き、その中央のピンクの部分に亀頭をあてがった。愛液と瑞々しい貝肉の弾力に引き寄せられて、怒張したオレの肉茎はずぷずぷずぷぅと音を立てて沈んでいった。
「いやぁぁぁぁぁぁっ」
(うわぁ、気持ちいいマンコだなぁこりゃ……)
ゆっくりと抜き差し運動を三回ほどしたところで、中の貝肉がきゅぅっと収縮した。
(おぉ、締まる。なんだこりゃ)
 自分の一番敏感な粘膜の部分が、ザラザラとした壁にこすり付けられて、強い刺激が伝達される。おそらく30秒も挿入していなかったと思う。射精感があっと言う間にやって来て、オレはすぐに秘肉から抜き取り、あゆみの白い尻のワレメにドロドロの濃い精液を発射した。
 あゆみも興奮していた。どうやら生理がきてしまったようで、オレの肉茎も赤く染まっていた。

 用意してきたポケットティッシュで自分のものを拭きとったあと、彼女の股間の汚れも拭き取ってあげた。そしてオレは、
「あ、どうも。こういうの、なんか、かなり興奮しました。ありがとう」
と照れながら礼を言った。
 だがあゆみは、いつまで経っても泣き止まなかった。そして、ポケットから携帯電話を取り出し、電話を掛けた。
「もしもし、警察ですか……」
「え、ちょっ、待って!」
 悪友の言葉が冗談だったと気づいたのは、ようやくこのときだった。遠くからパトカーのサイレンが近づいてきた。

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