「脳内セックス」女性向け官能小説

“脳内セックス”~触れてもいないのにオーガズムが…

加奈子は仕事を終えてオフィスを出て駅へと向かって歩いていた。今日の仕事はいつもより少し忙しく、疲れというより気だるい感じだった。いつも通勤で通るいつもと同じ道をなんてことはなく歩いていたのだが、身体の気だるい感じに交じって体の奥が疼くような感覚があることに気が付いた。その疼きに気が付くと、意識はその疼きに集中し、その疼きは子宮からであることにも気が付いた。加奈子は無意識に、週末の彼とのセックスを思い出した。しかし、それははっきりとしたものではなく、ぼんやりとした妄想のようなものであった。

加奈子は駅の階段を降りるとき、子宮の疼きが何かに突かれているような感覚に襲われた。その感覚は、彼のペニスで奥をずんと重く突かれたようなものだった。加奈子は自分の身体の奥から湧き出てくるような性欲を感じた。

プラットホームで電車を待っている間、加奈子はずっと彼のペニスが膣の入口から奥までをゆっくりと往復している感覚を思い出していた。やがてその感覚はぼんやりしたものから、明確にペニスが膣に挿入されている感覚になっていった。

ホームに電車が到着し、電車に乗り込んだ。電車はそれほど混んでおらず、吊革を掴み電車の揺れに身体を任せていた。その電車の揺れは、彼とのセックスのときの揺れとは程遠いものであったが、無理やり脳内で彼とのセックスと同じような感覚に変換させていた。彼のペニスが、自分の膣の中に押し分けるように入り、膣内の性感帯を探るようにペニスが動いている感覚がはっきりとわかるようになっていった。

加奈子は、自分の性器が濡れはじめ、ひくひくと疼いていることに意識を集中させていた。そして、同時に性器に強い刺激を与えて欲しくなっていた。電車の中では自ら性器に触れることもできない。ましてや誰かが触れることはおぞましい。加奈子は自ら発電するような性感と、自分が今いる状況との葛藤に陥ってしまった。このままではおかしくなりそうな気になり、気を紛らわすためにスマホをバッグから取り出した。スマホの通知画面には、彼からのLINEの着信メッセージがあった。
「仕事終わったの?」
と加奈子はメッセージを返した。するとすぐに彼からの返信があった。
『うん、終わったよ。加奈子は?』
「私も終わって、今、電車」
『そうなんだ。おつかれさま。』
「今から会える?お家でご飯作るから一緒に食べない?」
『いいよ、じゃ、このまま加奈子の家に向かうよ』
加奈子はこのメッセージを読むと同時に、性器の疼きが高まってしまった。加奈子は、無意識的に
「なんか、思い出しちゃって」
と返信していた。
『何を?』
彼からのその普通な返信を見て、加奈子は「私はなにを言ってしまったのだろう」と少し後悔した。
「あ、いや、なんでもない」
と少し間を置いて返信した。
『ひょっとして?』
彼はなんとなく察してしまったような返信を返した。加奈子は返信をどうするか躊躇してしまった。
『したくなった??』
彼は続けてメッセージを送ってきた。
『週末のHを思い出してた?』
続けてくる彼のメッセージに、加奈子はさらに彼のペニスが欲しくなってしまっていた。
「うん」
と返信すると、彼は私のその返事が予めわかっていたように続けてメッセージを送ってきた。
『じゃ、今から脳内セックスね』
“脳内セックス”…加奈子はその言葉を見て、ついさっきまで頭の中で彼とのセックスを思い出し、性器に鈍い快感を感じていたことを彼に悟られてしまったのかと思った。
「脳内セックス?」
加奈子は彼に訊き返した。
『そう。まだセックスしたときの感覚、身体に残ってる?』
「うん…」
『じゃぁ、このまま思い出して』
加奈子は一瞬、今自分が電車の中にいることを忘れてしまった。すぐに我に帰ったのだが、逆に周りに見知らぬ人だらけの車内が、加奈子の性的な疼きを強くさせてしまった。
『ゆっくり、挿れたり出したりしてあげる』
彼は、加奈子がペニスをゆっくり出し挿れすることが大好きなのを知っていた。
『奥まで届いたら、あそこを締めてごらん』
電車の中なのに、本当に彼のペニスで奥を突かれている感触を得て、彼の言葉の通りの“脳内セックス”を加奈子は実感していた。加奈子はスマホの画面を見るのが精一杯で何か返信のメッセージを打つこともできず、恍惚な状態になり、駅で停車し慌ただしく乗降する人も気にならなくなってきていた。
『ほら、いきそうになってるよ』
彼のメッセージを読むと、ただ吊革に掴まっているだけなのに、子宮と性器の疼きが強くなり、オーガズムに達しそうになってしまった。
「あっ…」
加奈子は思わず声を漏らした。
『あと10秒我慢して』
彼のメッセージは、加奈子がすぐにオーガズムに達することを阻むものであったが、逆にそれが加奈子の身体に火をつけた。
『10』
『9』
『8』
『7』
彼のメッセージはカウントダウンを始めた。加奈子はスマホの画面を見つめることしかできなくなっていた。彼のメッセージはリズミカルに送られてくる。
『6』
『5』
『4』
ここでリズミカルなメッセージが止まった。加奈子はオーガズムの直前でペニスを動きを止められ、焦らされている感覚を得た。
『3』
加奈子はまた少し声を漏らした。
『2』
ゆっくりと彼のカウントダウンのメッセージが送られてくる。
『1』
加奈子は目をつぶった。掴まっている吊革を強く握ると、身体がビクンと波打った。ちょうどその時、電車は駅に停車しドアが開いた。加奈子はそこが何駅なのかを確認せず、急いでホームに降り立った。呼吸を整えながらスマホの画面を見直し彼にメッセージを打ち込んだ。
「いっちゃったわ」
加奈子は下着が激しく濡れていることに気がついた。
『そう、それはよかった。これで、どこでもいけちゃうようになったね』
彼のメッセージは、この先、幾度となく“脳内セックス”をすることを示すものだった。
「あとで、ちゃんと本物を挿れてよね」
加奈子はメッセージを送信し終えると駅の案内表示板を見て今自分がどこにいるのかを確認し、次の電車を待つために並ぶ列の後ろについた。
加奈子の性器は、まだ疼いたままだった。

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